2007年12月15日土曜日

そっとつぶやく

私の父は昭和一桁生まれ、男が台所に立つのは恥、女房が働きに出るのは亭主の恥、と言う絵に描いた様な亭主関白な人で母も随分苦労させられていた様だ。子供の躾も厳しく特に食事の時の行儀にはうるさかった。私語厳禁、、箸の持ち方、茶碗の持ち方、食事中は正座を崩す事は許されず、食べ残し厳禁などなど。私の足が太くて短いのはこの正座のせいだと今も思っている。おまけに空手5段。そんな父が四角い物を丸だと言えば「はい丸です。」と言わざるを得ないのだ。そう、我が家では父には絶対服従。もし逆らえば容赦無く空手チョップが飛んでくる。テレビで見る家族団欒の楽しい食事風景は憧れの風景だったのだ。中学生の反抗期を迎える頃には反抗心が頂点に達し、口も利かず目も合わせずが常となる。そんな父も55歳と言う若さで他界したので既に22年が過ぎた事になる。




さて、我が家の双子の子供達も現在中学3年生。親の背丈を遥かに超え体格だけは一人前だがその中身はと言うと、これが頭が痛くなるくらいだらしない。勉強どころかまず生活がなってない。「起きたら布団を上げろ」「学校から帰ったら弁当箱を出しなさい」「脱いだらたため」「出したらかたずけろ」「開けたら閉めろ」・・・と言い続けても、馬の耳に念仏。




仕事上家族が揃って食事をする事もあまりない。よって出来上がったご飯を各々が好きな所で好きな様に食べている。一人はキッチンで、一人は自分の部屋で、一人がテレビの前でといった具合だ。(ここは学食と違うぞ~!!)そして何か言おうとすると、「お母さんは喋らないで!」と話す前から小言を察して娘の反抗的な言葉が出る。一方息子の方にはニコニコスマイルでかわされてしまう。家族団欒も無ければ厳格な食事風景すら無いのだ。







父が他界して22年、仏壇に向かって今更ながらそっとつぶやく。


「お父さん、あんたは偉かった!」と。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

耳が痛い話です。

コメント書き込めるかな?

実験です。

lushlife さんのコメント...

初コメントありがとう。
そっかー、耳が痛いかー。
忘年会が一通り終わったら、年末の大掃除に励んで下さいね。その内抜き打ち検査に行きますから。ヒヒヒ・・・