2014年6月11日水曜日

優雅な生活

ここ最近、仕事が週休二日になればどれだけ良いだろうと思う。
愚痴になるが週一回の休みでは溜まった家事と店の仕入れに仕込みで殆ど一日が終わってしまい自分の時間が無いのだ。ましてや旅行なんて3年に一度行けるかどうかという状態だ。
滋賀の別荘も行けば掃除ばかりでちっとも寛げる時間が無いのが現実。
自営業は自由で良い様に見えて案外不自由なモノだとつくづく思う。

うちの滋賀の別荘は敷地面積50坪の田舎の家だが、そのお向かいには500坪の近江商人屋敷の豪邸がある。江戸時代から受け継がれるこのお屋敷は代々色々な方が守りながら受け継がれてきたそうだが、現在お住まいのご夫婦が購入されたのは35年前。老後をのんびりと好きな植木の手入れや家庭菜園を存分に楽しもうとのおもいがあったようだ。確かにちょっとしたお寺など顔負けのその広大なお庭は雑草の一本も生えていない完璧な手入れがされている。それはこのご夫婦の日々の努力の結晶なのだろう。木の切り株一つにも愛情と思い出が詰りそれを語る目はまるでわが子の成長に思いを馳せる親の様だ。
そんな初老のご夫婦がこの豪邸を手放し、東京のマンション暮らしを考えておられる。
他人が見れば500坪の豪邸での優雅な田舎暮らしから都会のマンション暮らし?と不思議に思う方も多いだろうが、雑草の一本も無い庭園を見て「優雅」とはいったい何かを考えさせられた。

時々「私も退職後はジャズ喫茶でもやりたいんですよ。」と相談を持ちかけられる事がある。
大抵の場合、一通りお話しを伺いうちの旦那は「止めといた方が良い」と言う。
傍目に気楽そうに見えるジャズ喫茶だが気楽の陰には苦労も多いのだと身をもって知り尽くしているからだ。そう考えれば優雅とか気楽な生活とは現実にあるのだろうか?夢か幻、単なる憧れでしかあり得ない空想なのかも知れない。