11月3日(火)は文化の日の祝日の為、営業します。
翌日の4日(水)を代休させて戴きます。
2009年10月30日金曜日
2009年10月18日日曜日
これでいいのだ
赤塚不二夫自叙伝「これでいいのだ」をお借りして読んだ。
ご存知、天才バカボン、ひみつのアッコちゃん、おそ松くんなど数々の傑作を書いた漫画家だ。
この自叙伝は戦時中満州での辛い出来事や彼のご両親の事、少年時代の悪がき仲間との想い出、そして漫画との出会いなどが書かれている。
少年時代とは戦後の物が何も無かった時代の事だ。柿畑に行けば柿を袋に詰められるだけ詰めてかっぱらう、芋畑に行けば芋を、栗畑に行けば栗を、といった具合にだ。ある時ドジをふんで警察に通報され捕まった。深夜12時近く現れたかあちゃんは「すみません」と頭をさげるばかりである。「今日は帰ってよし!」そしてようやく放免となるのだが、窃盗容疑で補導される事、実に5回。おまけにその警察の防犯室から本まで盗んで帰ったそうだ。こんなハチャメチャな経験が後に天才バカボンやおそ松くんを生んだのだろう。
「作品や登場人物は作家の投影でなくてはならない」とキャッチャー・イン・ザ・ライの作者のサリンジャーは言っている。そして同様に天才バカボンの作者、赤塚不二夫の人生はバカボンとしての人生を全うしたのだろう。
さて、私の16歳の息子が小学校時代の同級生三人と出身小学校の屋上で景色を見ながら語ろうという事になったそうだ。
こう聞けばフムフムいい話やん。と思うが、時間は深夜2時、当然閉まった校門の横のフェンスをよじ登り非常階段を上がっての屋上だ。同級生のN君は地声が大きく、おおらかな性格の持ち主だ。しかし今回はそれが裏目に出た。深夜小学校の屋上から大きな話し声が聞こえれば「なんや?」と怪しまれるのは当然の事。近所の住人の通報であっさり警察に捕まった。今年の5月の出来事である。
赤塚不二夫自叙伝なら親が警察に出向いて深々と頭を下げ、息子にはゲンコツでポカンと頭を殴りつけて二度と警察のご面倒にはなるんじゃないよ、と言い、再度頭を下げながら後ろずさりで警察を出る。って所なのだろうが、しかし現実はと言うと、三度の警察出頭で膨大な数の調書を取られ、昨日は家庭裁判所に親同伴で行ってきた。
「たかがこれくらいの事で、とは思わないで下さい。これはれっきとした犯罪行為なのですから。」
裁判所で50歳代後半の温厚そうな男性調査員の方にこう言われた。その他幼少の頃からの性格や生い立ち、家庭内での状況などを細かく聞かれる。
最後に誓約書に一筆とサインを書く段になって何故か息子は書かないと言い張る。
そう言えば最初に彼が入学した高校は京都北部にある全寮制の府立高校だったのだが、朝は6時に起床、全ての事柄に規則があり違反すると全体責任が科せられる。そこでは入学前に随分たくさんの誓約書を書かされた。それがトラウマになってしまったのだろうか?とにかく彼が言うには「生きていけば人に迷惑もかけるだろうし、法律に反する事を一切行わないという保障は何も無い。未来のまだ起こりもしない事に誓約などできない。」と。しかしこれを書かねば裁判に持ち込まれる事になると言う。押し問答の末、何とかサインだけを書きようやく放免された。
息子は今年再入学した公立高校を又も辞め、今月から単位制高校に転校した。これで三度目の高校一年生である。
「これでいいのだ」と言えるようになるまで、随分長い険しい道のりがまだまだ続きそうだ。
ご存知、天才バカボン、ひみつのアッコちゃん、おそ松くんなど数々の傑作を書いた漫画家だ。
この自叙伝は戦時中満州での辛い出来事や彼のご両親の事、少年時代の悪がき仲間との想い出、そして漫画との出会いなどが書かれている。
少年時代とは戦後の物が何も無かった時代の事だ。柿畑に行けば柿を袋に詰められるだけ詰めてかっぱらう、芋畑に行けば芋を、栗畑に行けば栗を、といった具合にだ。ある時ドジをふんで警察に通報され捕まった。深夜12時近く現れたかあちゃんは「すみません」と頭をさげるばかりである。「今日は帰ってよし!」そしてようやく放免となるのだが、窃盗容疑で補導される事、実に5回。おまけにその警察の防犯室から本まで盗んで帰ったそうだ。こんなハチャメチャな経験が後に天才バカボンやおそ松くんを生んだのだろう。
「作品や登場人物は作家の投影でなくてはならない」とキャッチャー・イン・ザ・ライの作者のサリンジャーは言っている。そして同様に天才バカボンの作者、赤塚不二夫の人生はバカボンとしての人生を全うしたのだろう。
さて、私の16歳の息子が小学校時代の同級生三人と出身小学校の屋上で景色を見ながら語ろうという事になったそうだ。
こう聞けばフムフムいい話やん。と思うが、時間は深夜2時、当然閉まった校門の横のフェンスをよじ登り非常階段を上がっての屋上だ。同級生のN君は地声が大きく、おおらかな性格の持ち主だ。しかし今回はそれが裏目に出た。深夜小学校の屋上から大きな話し声が聞こえれば「なんや?」と怪しまれるのは当然の事。近所の住人の通報であっさり警察に捕まった。今年の5月の出来事である。
赤塚不二夫自叙伝なら親が警察に出向いて深々と頭を下げ、息子にはゲンコツでポカンと頭を殴りつけて二度と警察のご面倒にはなるんじゃないよ、と言い、再度頭を下げながら後ろずさりで警察を出る。って所なのだろうが、しかし現実はと言うと、三度の警察出頭で膨大な数の調書を取られ、昨日は家庭裁判所に親同伴で行ってきた。
「たかがこれくらいの事で、とは思わないで下さい。これはれっきとした犯罪行為なのですから。」
裁判所で50歳代後半の温厚そうな男性調査員の方にこう言われた。その他幼少の頃からの性格や生い立ち、家庭内での状況などを細かく聞かれる。
最後に誓約書に一筆とサインを書く段になって何故か息子は書かないと言い張る。
そう言えば最初に彼が入学した高校は京都北部にある全寮制の府立高校だったのだが、朝は6時に起床、全ての事柄に規則があり違反すると全体責任が科せられる。そこでは入学前に随分たくさんの誓約書を書かされた。それがトラウマになってしまったのだろうか?とにかく彼が言うには「生きていけば人に迷惑もかけるだろうし、法律に反する事を一切行わないという保障は何も無い。未来のまだ起こりもしない事に誓約などできない。」と。しかしこれを書かねば裁判に持ち込まれる事になると言う。押し問答の末、何とかサインだけを書きようやく放免された。
息子は今年再入学した公立高校を又も辞め、今月から単位制高校に転校した。これで三度目の高校一年生である。
「これでいいのだ」と言えるようになるまで、随分長い険しい道のりがまだまだ続きそうだ。
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