2011年8月17日水曜日

我が家の猫事情

我が家にはかなりご高齢の猫が一匹いる。子ども達がまだ保育園に行っていた頃にやって来たのでウチに来て既に13年。来た時には成猫だったので確かな年齢は分からない。誕生日も分からないので誕生日祝いも勿論したことがない。
若い頃は借りてきた猫の様におとなしくて「にゃ~」とも「しゃ~」とも言わず、おまけに怖がりで、家からは殆ど外に出ることもない引き篭り猫。要するに存在感があまり無かった訳だ。
それがいつの頃からか鳴き声に変化が現れた。鳴くというより低音の唸り声。「にゃ~」ではなく「びゃ~」。お腹が減ると唸りまくる。とことん貰えるまで唸りまくる。夜中であろうが早朝であろうが耳元で唸る。それでもダメなら顔の上であろうが乗り上げてくる。「どうだ参ったやろ~」と顔の上にお尻を乗せる。・・・はい参りました。とこちらが降参して眠い目をこすりながら缶詰めの餌をやるまでその攻撃は止まない。もうこうなったら化け猫同然だ。
そんなある日、ガレージから車を出す時に誤って猫の足をひいてしまった。ひき殺したかと思う程悲壮な鳴き声が車下から聞こえ真っ青になり車の下を覗くと足を引きずりながら悲しげな目でこちらを見ている。
「ああ生きていてくれた。」と普段の恨み辛みも忘れて素直に喜んだ。そしてひいた負い目でまぐろの刺身など買ってきて食べさせ、どうか今回の事は穏便に取り計らって下されともみ手すりすりお願いなどした訳だ。
しかしながら老化は足からというのは人も猫も変わらない様で、その後何回も脳震盪を起こして倒れ、トイレは垂れ流し状態になり、もう今度は「どうかご先祖様そろそろお迎えを・・・」と願ったりもするようになってきている。
そして私の母はそんな年老いた我が家の猫を横目で見て、いずれ訪れる自分の老化と家族の対応を疑似体験しているようだ。

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